スピリッツオブガッタス

melon_kinenbi2006-03-02

斉藤瞳さんがガッタスから引退、つい最近撮られたと思われる公式発表ページ*1の彼女は、お世辞にも似合っているとは言い難いピンクのジャージを着て笑顔で写っています。


彼女のガッタスでの活動は色んなものがせめぎ合っていて、ガッタスというチームにドラマ性を持たせてくれました。
もちろんサブタイトルの書籍を読めばメンバー全員に色んなドラマがあるのだけれど、彼女はキャプテンと同じくらい色んな事と戦ってきたと思うし、だからこそこのコメントを前にして自分は安易な言葉がかけられないのです。


誰よりも弱虫で泣きべそな彼女が誰よりも気合いの入った(こわおもてな)容姿でコートに立つというのは、メロン記念日での彼女を知らない人にとってはとても新鮮な事だったかも知れません。
けれども節目のメロンのコンサートに通いインタビューに目を通してきた自分からすれば、そこにいるのはまさしく斉藤瞳で、その表情、プレー、全てが彼女そのものなのでした。


弱気が顔を覗かせるというのはスポーツに関しては決して誉められた事ではないと思います。
競技思考であればそういった事は一切表に見せず、悔しさをバネにして這い上がるといった事が正しいはずです。
しかし彼女は自分の苦手な局面では弱気がプレーに現れたし、節目の度にコート上で涙を見せました。
そんな彼女を見て思うのは、女子フットサルの良さの一つはこういった部分じゃないの?ということです。


お世辞にも上手いとは言えない女の子が精一杯頑張っている・・カワイイ子が容姿を気にすることなくカッコ悪い姿を見せる・・そして、空振りしたり合わせられなくても仲間の意志をくみ取って、仲間を信じて、スペースを見つけて駆け上がる・・高い技術と共に怠け癖が身に付いたプロの選手も沢山見ている北澤監督が「僕のとても好きなタイプのプレーをする選手」と彼女を評しているのは彼女の無償の動きやチームに注ぐ魂、愛情を感じてくれているからだと思うのです。


引退という2文字を前にして気が向いたらいつでも練習に参加して・・なんて事は言えないのですが、彼女がガッタスの事を愛しているのは皆が感じることだと思うし、2年以上、もしかしたら自分の所属しているユニットと同じくらい長い時間を一緒に過ごしてきたメンバーなのですから、彼女には席を外したからといって変な気は使って欲しくありません。


だから気が向けば練習場に顔を出して欲しいし、暇だったら会場に足を運んでベンチの後ろででも彼女たちを見守ってあげて欲しい・・・2年前の夏、雨から一転晴れ上がったお台場カップ決勝で彼女が不参加だったガッタスが優勝を手にし、その夜沢山のファン、そしてガッタスメンバーと一緒にメロンのライブを満喫した時のように、フィールドから離れていても魂がいつでもガッタスにあることを末永く僕たちに感じさせる存在であって欲しい・・・と思うのです。