勝手な解釈

上で娘。シングルの事を取り上げた訳ですが、少し具体的に書きたいと思います。世に歌われる曲のテーマというのは基本的にはLOVEだと思うのですが、LOVEにも元気だったり、激しかったり、寂しかったり、しっとりしていたりと色んな形があって、それによって曲調も変わってきます。
インタビューなどを読めば、彼女たちはそれぞれ曲に対してのビジョンを持っているし、決してその取り組む姿勢がなってない訳ではないのですが、それが浅かったり、勘違いしている部分があると思うのです。
もちろん本人が作詞をしているわけではないので、歌詞の世界観を100%理解するのは無理ですし、いつも(スタッフ側が)テンパった状態でリリースされる彼女たちの楽曲の場合、時間的な制約も大いにあると思います。
また経験自体が少ないことからくるリアル感の喪失といった事もあるかとは思うのですが、そう言ったモノははったりだとか気合い、取り組む姿勢でカバー出来るモノで、もし違和感があっても、そこには背伸びをしているかわいらしさだとか別の味わいが見えてくるわけです。
ロマンスの場合はSEXYというキーワードが根底にあるわけですが、特徴的なメイクや、衣装、ダンスで見せるしぐさといった点で彼女たちは自身を追い込んでいます。斉藤さんの髪型は11WATERからですが、彼女自身シャッフルの時点で既にROMANSまで踏まえてのプロモーション展開があったと思いますし、自分は彼女の髪型から気合いを感じました。
容姿的にたまたま色っぽいメンバーが集まっているからという向きもあるかと思いますが、少なくとも矢口は違いますし、そういった部分で最初から厳選する作業もコンセプトを打ち出す上では非常に重要な事です。
ROMANSのメンバーが並ぶと矢口のふくらはぎや膝下の寸胴具合ははっきり言えば浮いていると思います。しかし彼女の緊張感を伴った高い声色はそれを補って余りある色っぽさがありますし、例え若干ずれていても彼女からはどんな時でもシリアスに取り組む姿勢が感じられるのです。
つまりROMANSは素材の時点でコンセプトに近いメンバーが集められているし、メンバー自身の気合いだとか取り組む姿勢からも強い意志が感じられるのです。
一方の娘。はどうかと言いますと上でも書いたようにまず人数が多く幾人かによってその曲のコンセプトがうち消されています。もちろん群舞やコーラスなど、別の要素によって補えれば良いのですが、今回の曲の場合はそれが殆ど感じられません。
そしてごっちんが示唆するところのお遊戯感覚というのは、そこら辺から来ているのではないかと思っています。つまり決して曲調がふざけていたり破綻していたりといった理由ではなく、自分のモノに出来ていなかったり、コンセプトの上澄みだけをすくっているから、完成度が低くなるのではないかと思うのです。
ちなみに娘。の中には一人、コンセプトを全部自分で書き換えて、強引に自分色にしてしまうメンバーがいます。もちろん本人にはそんな意識はないと思いますが、どんな曲調を歌っても彼女のパートは全て彼女の色でしかなく、それが曲のコンセプトに合っている場合はオーバー(過剰)、それ以外はことごとくアンダーで、容姿と相まって大抵は曲のイメージに合っていません。
その要素が好きな人にとってはこの上ない麻薬のような存在だと思うのですが、自分はめっぽうダメでして、彼女が参加するユニットには必ず違和感を覚える次第です。彼女の歌うパートや露出が増えれば増えるほどにシリアス、リアル、クールといったベクトルはどんどん削られていくのです。