ひとつを知るたび 憧れは 消えていく

melon_kinenbi2005-08-31

SweetS初のライブツアーはとても素晴らしいものでした。
それはもちろん彼女たちの魅力やパフォーマンスによるところ大なのですが、ライブの内容を思い返す内に彼女たちを支えるスタッフの熱意やビジョンも同じくらいに素晴らしいものだったと思うに至るのです。
そこで今回はスタッフが意図したモノを予想しながら感想を書いていきたいと思います。


最終公演のセットリストに関してはこちらを*1、夜公演ではこれに加えてダブルアンコール2曲が加えられ、最新シングルの2曲が披露されています。


またM-00と称してオープニングムービーが書かれていますが、セットリストの間が開けられている部分にもムービーが挿入されたり、彼女たちのトークがちりばめられています。


具体的にはM-06と07の間及びM-14と15の間にムービー(プロジェクター使用)が、それ以外の部分がトークと言った案配、トークに関しては極めて中学生らしい仕上がりで観客との掛け合いもグダグダだったりする部分もあるのですが、あんな凄いパフォーマンスを魅せるのにトークは年齢相応なんだなぁというギャップを感じさせ、それさえも良いアクセントになっているのでした。


一方ムービーの方は彼女たちの成長を見せる内容になっている訳ですが、その編集に加え挿入箇所が絶妙でした。
まず挿入される前の曲はどちらもバラードで、その曲のBGMを延長させる形で映像がはじまります。つまり会場がクールダウンしてきて静かに見聞きする空気が出来てから映像に自然とつなげている訳です。
ですのでこのリストを見るとかなり細切れな印象を受けるのですが、実際にはトークの所以外は極めてスムーズに繋がっており、見る側はそのステージの雰囲気に引き込まれます。


またこの最終公演はそれまでの公演から1曲カットされ、そこで彼女たち5人のソロ曲が披露されました。
M-07からM11の部分がそうで、「Sentimental journey」という曲をカットし、そこにメドレーつまりショートバージョンで5人が披露するという構成です。


ではなぜこの位置で、なぜ最終公演だけこういった構成だったのでしょうか?
一つに最終公演はスペシャルな演出をといった事があったでしょう。ただ自分はそれが真意ではないと思っています。
大阪名古屋と少ないながらもツアーをこなし、夏休み最後の、そしてツアー最終公演を迎えるこの日は彼女たちにとってもファンにとっても間違いなくピークにあたる日だった訳ですが、同時に寂しさを感じさせる日にもなっていたと思います。


元々学業を優先して休みの日に活動する彼女たちは夏休みなどの長期休暇に沢山の仕事をこなしており、夏は目に見えて仕事の量が増えていました。
そういった時期のコンサート最終日というのに加え、9月からメンバー5人の内の2 人が学業に専念して6ヶ月ほど活動を休止、こんな状況で寂しくならないハズがありません。
だからこそ先を見据える、そして何かワクワクさせるような期待感を持たせる演出が必要だったのだと自分は思っています。
そしてそういった点で10月に発売される20曲入りフルアルバムの中から目玉の一つである各人のソロ曲を披露するというのは正に打ってつけの演出だったと思います。


あと1曲削ったのはもちろん時間の兼ね合いもあるかとは思うのですが、この曲をカットしようという意志もあったと自分は思っています。
この「Sentimental journey」という曲、彼女たちのDVDに収録されたオリジナル曲で音源のみでは公に出回ってないもの、個人的にも好きな楽曲なのですが、アンコールで披露された「oursong〜別れの詩〜」と同じかそれ以上に彼女たちの涙を誘う曲なのです。


実際どうなったかはやってみないと判りませんが、もしかしたらここで号泣といった可能性もあった訳で、そうなると上で書いた方向性を持たせるのには明らかにマイナスになるわけです。
そんな訳で中盤から後半の流れを壊したくなかったというのに加え、上記の理由でここにソロ曲メドレーを持ってきているのは絶妙だと思いました。
さらにムービー上映後ということで各人ソロ1曲の為にそれぞれ衣装替えも1回追加(ムービー上映中にソロ曲用の衣装に着替え、さらに他メンがソロ披露中に次の曲向けに着替え)とここはその趣向と裏方の点で一つのピークなのでした。


ちなみにこのソロ曲ですがメドレーを聴いた第一印象は


・M-07. One/MIORI
 典型的avexサウンド鈴木亜美に提供されそうな楽曲
・M-08. I am I/MAI
 レゲエ調、彼女のキャラクター、声質にマッチ
・M-09. after the rain/HARUNA
 超力作、ダンサー2人を従えるという見せ方よりその楽曲+彼女らしい唱い回しによる類い希なPOPSの世界観に注目
・M-10. captain smiley/AKI
 背伸びしたイメージを与える楽曲、今の彼女だと若干役不足も後々絶対引き立てることが可能
・M-11. Wishing upon the shooting star〜獅子座流星群〜AYA
 壮大なスケールのバラード、絶対生で聴いた方が凄いし感動すると今から言い切れる位にすばらしい完成度のパフォーマンス


といった感じです。
で、これらの曲の作詞もどうやら全てrom△ntic highさんの模様、彼女たちもメドレー後のトークで話すのですが、この方は本当に彼女たちの事を良く判っているし、彼女たちを愛して詞を提供してくれているなぁと改めて思うのでした。

(つづく)