ブラックサンダー

melon_kinenbi2005-07-06

現在、近くのセブンイレブンにはレジカウンターのところにブラックサンダーという名前のチョコ菓子が置かれています。
1個40円もしないもので、名古屋のユーラク有楽製菓)というメーカーが作っているいわゆるチョコレートコーティングのクッキークランチ、普通に駄菓子コーナーにあったら絶対買わないだろうなというそのパッケージにはえらいキャッチコピーが採用されているのです。


黒い雷神 若い女性に大ヒット中! おいしさイナズマ級!


この2番目のコピーを見てダウトと言わない人はまずいないでしょう。
しかしカウンターで実際そのコピーを目にして値段を知ると、気付いた時にはカゴの中に2-3個入れている自分がいるのです。


食べて見ると案の定安っぽいチョコの味を懐かしく思うくらいで、若い女性に大ヒットな理由はこれっぽっちも感じられません。
中には病みつきになる人もいるかとは思うのですが記憶に残るのはそのコピーばかりで、出来るだけ多くの一見さんに興味を抱いてもらって1回でも買ってもらえれば・・・といった貪欲さをそのパッケージから感じるのです。


こんな事を書いているのはCDシングルというメディアにこのお菓子を照らし合わせたからでして、音楽配信が徐々に浸透してきている今、CDを内包したプラスチックのケースに紙ジャケットを挟んだモノが果たしてどれくらいの商品価値を持っているのだろうかという事を考えさせられる訳です。


例えばネットを介した配信とは別で、使い捨てのメモリーカードなどが安価に沢山出回るような時代になったとき、このお菓子のような小袋にキャンディか何かと一緒に入ってレジ横で200円位で売られていたとしたら果たして自分はそれを手に取るのだろうか・・・といった事を考えてしまうのです。
中身の楽曲がどうこうではなく、CDショップじゃないところで、パッと目にした時点で興味が湧けば値段次第で手にすると言う事が楽曲の売り上げを左右する時代も決してなくはないと思うのです。


かなり極端な事を書いてるのは承知しているのですが、音楽配信というのはそういった楽曲の価値観を変えてしまうひとつの大きな起爆剤になるのではないかと思っています。
その先に見えるのは特にCDシングル販売の衰退な訳で、音楽配信事業とは別の部分でどれだけ楽曲販売の活路を開くかというのがこれから先商業音楽を面白くしていくひとつの命題になっているような気がします。