いいかげんに・・・

melon_kinenbi2005-01-14

スティーブ・ジョブズの基調講演をストリーミングで拝見しました。
それを見て感じたのはAppleが持つ総合力の高さ、決してハードだけでもソフトだけでもない、どちらもそれぞれに個性を発揮しながら強力なタッグを組んで新製品を開発している部分に改めて驚かされるのでした。
そしてこの基調講演を見ていると、凝り固まった考え方や見方を持っている人物、それを絶対に替えようとしない人物にMacは適していないのだということを感じた次第です。


講演の中でAmazonでの売り上げランキングが引き合いに出されていた訳ですが、そこには4位にiTunesプリペイドカードが入っていました*1
アメリカではコンビニなどでも普通にカードが流通しており、PEPSIのキャンペーンなどでも判るとおり既に爆発的な普及と認知度を獲得している訳です。


iPod miniというカンフル剤でもって、日本でもハード的には爆発的な売れ行きが、本当に後はiTune Music Storeがオープンするのを待つだけとなりました。
この件に関して随分前からAppleが行動を起こしているのは過去の記事を読めば一目瞭然、要はJASRAC等が頭を縦に振らないためにいつまで経っても日本ではこのサービスが始まらないわけです。


もちろんこれはJasracだけの意志ではなく、業界からの様々なプレッシャーあっての事だと思っています。
実際のところ昨年から日本の企業主体の音楽配信自体は幾つか始まっていて、今持ってAppleに門戸が開かれないのはこういった日本企業ベースでの配信事業による下地づくりや試行錯誤、囲い込みを待っての事だと思うからです。


呆れる反面、危機感を持ってしまう事も十分に理解は出来るのですが、この件に関してAppleの持つ力、勢いはやはり尋常ではないことを”お偉いさん”達は認めて、彼らがもたらすモノでもって如何に自分たちが新しいサービスや利益を築くかを早急に検討するべきだと思います。


先頃発表されたiPod Shuffleによって、iPodというハード+iTunesというソフトはこれまで以上に爆発的なユーザの増加をもたらす事でしょう。
CD自体が売れなくなってきた事なども含めて、今音楽業界は過渡期を迎えていると思うのですが、くれぐれも日本という国が商業音楽面で発展途上、後進国にならないことを祈るのみです。


基調講演の中で、ジョブズは何度も「デジタル・ミュージック・エラ」という言葉を口にしました。
So, you can see how the degital music era is really coming upon us !
という彼の発言を真摯に受け止めて、日本の音楽業界全体が変わっていってくれることを願っています。

*1:アメリカ本国での2004年9〜12月四半期、家庭用電化製品カテゴリー売り上げランキングにおいて、ちなみに1位はiPod(20GB)、2位はiPod mini(シルバー)