羅生門

melon_kinenbi2004-01-29

千秋楽公演を見てきました。
大まかに書きますと、芥川作品の「開化の殺人」「開化の良人」が舞台のメイン設定になっており、主人公の仲村トオルが人生に苦悶する中でカッパに出会い、様々な葛藤の末、愛情の何たるかを客に問う・・・というストーリーです。
カッパが彼に人間界のカオスを見せる劇中劇も全て芥川作品が使われており、ある意味芥川龍之介をフィーチャリングした演劇作品、メインテーマは人間の色んな情念といったところでしょうか・・・。
圭ちゃんは写真入りで紹介されている役者さんの中で一番端役でして、セリフも少ないですし、登場している時間も短かったです・・・が、非常にインパクトのある役を堂々とこなしており、素晴らしい歌声で子守歌を唄って観客を魅了してくれました。
彼女のメインの役どころはちょっとおつむの弱い浮世離れした役でして、この公演の中では決して本流の役ではなかった訳ですが、次回は是非富田靖子さんが演じていたような役に圭ちゃんが挑戦する姿を見てみたいとも思いました。
上でストーリーを書いたのですが、もちろん裏ストーリーというのがちゃんとありまして、それは主演の浅丘ルリ子がその年齢にして演じるラブストーリーという部分です。仲村トオルと2人出ずっぱりで、千秋楽ということもあり声もかすれ気味なのですが、そのひたむきな愛情表現の数々は年齢を考えると本当に凄いですし、ずば抜けていました。彼女がこういった舞台をやることを選んで、こんなにもひたむきにやっているという事に感動を覚えますし、人間として惹かれた次第です。
客層はいわゆるおばさん世代の人が一番多かったと思うのですが、彼女たちが老いてなお、こういった愛情劇に惹かれたりあこがれるのはステキですし、浅丘さんが主演を張るというという事にはそういった方々へのアピールが確実にあって、求められている部分なのだと思いました。
舞台が終わりカーテンコール・・・役者さん達が一人ずつ出てきて挨拶、拍手で見送られる中、圭ちゃんが現れた瞬間、野太い「圭ちゃ〜ん」コールがこれでもかと起こります。w
そして一通り終わって浅丘さんがセンターで深々と頭を下げた後、皆を壇上に呼び寄せ、カーテンコールのアンコールとなるのですが、劇中のシリアスな役どころとは対照的に飛び跳ねて走って現れた仲村トオルが最高でした。
客席からルリ子さんに花束が沢山贈られる中、左側にいた圭ちゃんに真っ赤!な蘭のような花束が・・・するとそれをきっかけに圭ちゃんのところにだけ沢山の花束がw・・・野太い圭ちゃんコールがかなりまき起こる中、舞台は幕を閉じました。
聞けばNHKで放送の予定があるとのことなので、見に行かれていない方は是非気軽に見てもらえれば・・・と思います。そして圭ちゃん、1ヶ月本当にお疲れさまでした!